「特別…だからね」その一言に込められた想いの真意とは?
オクモト悠太「オレの幼馴染つよい」後編
幼馴染ラブコメの新境地がここにある。海での"彼女のフリ"事件から始まった二人の関係は、今度はまさかの逆転劇へ─。

今度は俺が"彼氏役"!? 予想外の展開に心躍る
前回は理華に彼女のフリをしてもらった主人公。しかし今度は立場が逆転し、彼が彼氏役を演じることに。「当然拒否権なんて無く」という状況設定が、二人の関係性の絶妙なバランスを物語っている。
理華の学校の文化祭という舞台設定も秀逸だ。モテすぎて告白が後を絶たない理華が「彼氏がいる」と嘘をついているという設定は、読者の想像力を刺激する。

「つよい」幼馴染の多面性が魅力
タイトルの「つよい」が示すように、理華は単なる可愛い幼馴染ではない。普段はからかい上手で主導権を握る彼女が、文化祭の帰り道で見せる「少し暗い様子」─この ギャップこそが物語の核心だ。
「アンタは……ずっとニコニコしてる私の方がいいと思う?」という問いかけには、彼女の内面の複雑さが表れている。強がりの裏に隠された本音が、読者の心を掴んで離さない。

二人だけの特別な空間への誘い
「……上がっていきなさいよ。いま誰も家にいないわよ」
いつものニヤニヤ顔に戻った理華のこの台詞で、物語は新たな段階へ。二人だけの空間で何が起こるのか─読者の期待は最高潮に達する。
幼馴染ものの醍醐味を完璧に表現
この作品の素晴らしさは、幼馴染関係特有の「特別さ」を巧みに描写している点にある。お互いを理解しているからこその遠慮のない会話、それでいて恋愛感情への発展を予感させる絶妙な距離感─まさに幼馴染ラブコメの王道を行く展開だ。

ちなみに、こちらは全編の表紙だ
こんな読者におすすめ
- 幼馴染ラブコメの王道を求める方
- 強気なヒロインとの駆け引きを楽しみたい方
- キャラクターの内面描写を重視する読者
- 学園もののシチュエーションが好きな方
- 続きが気になって仕方がない物語を求める方

評価:★★★★★
『オレの幼馴染つよい』は、タイトル通り「つよい」幼馴染との関係性が織りなす、甘くてもどかしい青春ラブコメの傑作。理華の「特別…だからね」という言葉の真意が明かされる瞬間を、あなたも見届けてほしい。